骨粗鬆症には、糖尿病や動脈硬化、メタボリック症候群が関係する可能性があるため、Japanese Population-based Osteoporosis(JPOS)コホート研究の15年次追跡時に糖尿病や動脈硬化、メタボリック症候群などに関連する検査が追加されております。徳島大学病院糖尿病対策センターでは、JPOSコホート研究を実施している大阪医科薬科大学医学部衛生学・公衆衛生学教室と共同研究を行っており、JPOSコホート研究(15年次追跡研究)に参加され、血液検査を行った方の保存血清から血液中のアディポネクチンという物質を測定しております。
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されている物質で、血糖値を下げる働きをもつインスリンの作用に影響を及ぼしたり、動脈硬化などにも関連すると報告されている物質です。我々は、血液中のアディポネクチンがメタボリック症候群や糖尿病の発症と関係し、このアディポネクチンを測定することでメタボリック症候群や糖尿病の将来の発症を予測できるようになるのではないかと考えております。このため、15年次追跡研究でアディポネクチンを測定できている方を対象として、20年次調査、及び25年次調査で既に取得された情報を用い、糖尿病あるいはメタボリック症候群などの生活習慣病発症・進展とアディポカインとの関連を検討させていただきます。